Claude MaxとTeamに毎月APIクレジット付与 受け取り方と使い方

Anthropicの開発者向けアカウント @ClaudeDevs が、日本時間10月8日の未明、ClaudeのMaxプランとTeamプランに毎月のAPIクレジットを付けると発表しました。Max 5xなら毎月100ドル、Max 20xなら200ドル。同じタイミングで、新しい軽量モデルHaiku 5.5の公開も告知されています。
払った分だけクレジットがもらえるなら、『実質タダになった?』と思う方もいるかもしれませんが、それは正確ではありません。このクレジットは、対話型のClaude Codeには使えないからです。Claude Code目当てでMaxを契約している人にとっては、値引きにはなりません。公式ヘルプを読む限り、得をするのは、APIで自分のツールやエージェントを作る人です。
もらえるのはMaxとTeamだけ、ProとEnterpriseは対象外
金額はプランで決まっています。
| プラン | 毎月のクレジット |
|---|---|
| Max 5x | 100ドル |
| Max 20x | 200ドル |
| Team(Standardシート) | 1席あたり20ドル |
| Team(Premiumシート) | 1席あたり100ドル |
| Team(非営利団体・研究者向けの割引プラン) | Standard 1席20ドル、Premium 1席100ドル |
Teamは、全員分が1つの残高にまとまり、上限は月500ドルです。公式の例では、Standard 3席とPremium 2席のチームなら月260ドル。Premiumを1席足すと、次の月から360ドルになります。金額は、クレジットが入る時点の席数で計算されます。Standardだけなら25席、Premiumだけなら5席で上限に届くので、それより大きいチームでは席を増やしてもクレジットは増えません。
Free、Pro、Enterpriseは対象外です。Proの人が一番気になるところだと思いますが、ヘルプのよくある質問でも「MaxとTeamだけ」とはっきり書かれています。
受け取るための条件は次のとおりです。
- プランが有効であること: 支払いが滞っていない状態
- 加入から7日たっていること: 新しく加入した人は7日目から受け取れる
- スマホで加入した人も対象: Web、iOS、Androidのどれで加入してもよいが、受け取りの操作はWebブラウザのclaude.aiで行う
- カードの登録は不要: Claude Platform側に支払い方法を登録しなくても受け取れて、使える
提供は数日かけて順に広げているそうで、まだ表示されない人もいます。私が使っているMax 5xのアカウントでは、10月8日の時点で、claude.aiの設定の「請求」に「APIクレジット」の欄が新しくでき、「Max 5xプランには、毎月$100 USDのAPIクレジットが含まれています」という表示と「組織をリンク」のボタンが出ていました。
受け取りは、Consoleの組織を1つだけ選んでリンクする
クレジットは、claude.aiのプランから、API用の管理画面「Claude Console」の組織に毎月入る仕組みです。最初に1回、どの組織に入れるかを決めてリンクします。
- claude.aiで、Maxなら「設定 > 請求」、Teamなら「組織設定 > 請求」を開く
- 「APIクレジット」の欄で「組織をリンク」を選ぶ
- クレジットを入れるConsoleの組織を選ぶ
- 補足のクレジット規約を確認して、リンクする
ヘルプには、Consoleの組織をまだ持っていなければ、この流れの中で作れるとあります。ただ、すでに組織を持っている私のアカウントでは、選べるのは既存の組織だけでした。新しい組織に入れたいときは、Claude Console側から作ります。私は、Consoleのアカウントメニューにある「個人用の組織を作成」で検証用の組織を作りました。すると続きの画面に「ご利用のMaxプランには、毎月$100分のAPIクレジットが含まれています」と出て、「リンクして$100分を受け取る」を押すだけで、その場で受け取れました。Consoleの請求画面を見ると、「プロモーションクレジット $100.00 をご利用いただけます」と表示され、適用対象にはAgent SDK、API、Batch API、Playground、Managed Agentsが並んでいました。有効期限は2026年11月1日(UTC)です。この組織には支払い方法を1つも登録していませんが、クレジットは入っていました。
操作できるのは、Maxなら契約者本人、TeamならOwnerかPrimary Ownerです。Console側では、その組織のOwner、Admin、Billingのどれかの役割が要ります。claude.aiと同じメールアドレスでConsoleにログインしておくと、つまずきにくいそうです。
ここで一番気をつけたいのは、リンクできる組織は1つだけで、自分では変えられないことです。1つの組織が受け取れるのも1つのプランからだけで、あとから変えたいときはサポートに頼む必要があります。
個人で契約しているMaxを、会社のConsoleの組織にリンクするのか、個人の組織にするのか。リンクした組織でAPIキーを持っている人は全員、同じ残高から使えます。会社の組織につなぐと、自分のプランの特典を社内の誰かのツールが使い切る、ということも起こりえます。Teamなら、Consoleのワークスペースごとに使える上限を決めて、使う範囲を絞れます。
どの組織につなぐかは、次の3点で決めると迷いにくいと思います。
- 既存の組織のAPI利用が、毎月のクレジット額を超えているか: 超えているなら、そこにつなぐと、クレジットの追加購入や自動チャージ、請求書払いの額をその分減らせる。逆に利用が少ない組織につなぐと、毎月のクレジットが先に使われるぶん、買ってあるクレジットが減らないまま期限(購入から1年)を迎えやすくなる
- 個人のMaxを続けたまま、会社で別にTeamを入れる予定があるか: 1つの組織は1つのプランからしか受け取れないので、その場合は会社の本番の組織をTeamのために空けておく手がある(MaxからTeamに移るだけなら、Maxのリンクは外れるので気にしなくてよい)
- 実験と本番をどこまで分けたいか: クレジットの残高まで分けたいなら、別の組織を作ってつなぐ。APIキーや使える人、利用の上限を分けるだけなら、同じ組織の中のワークスペースで足りる
使えるのはAPIとAgent SDK、対話型のClaude Codeには使えない
クレジットで使えるのは、Claude Platform上の次のものです。どのモデルにも使え、公式の投稿では公開されたばかりのHaiku 5.5も含むとしています。
| 使える | 使えない |
|---|---|
| Claude API(Messages API、Message Batches API) | 対話型のClaude Code(ターミナル、IDE、デスクトップ、Web) |
| ConsoleのPlayground | Claude、Claude Code、Claude Coworkの追加利用(extra usage) |
| Claude Managed Agents | Amazon Bedrock、Google CloudのVertex AI、Microsoft Foundry経由のClaude |
| Claude Agent SDK |
紛らわしいのが、Claude Codeを画面を出さずに動かす claude -p の扱いです。リンクした組織で発行したAPIキーを使って自分で動かす場合は、Agent SDKの利用として扱われ、クレジットの対象になります。一方、Maxのアカウントでログインしたまま動かすと、これまでどおりプランの利用枠から引かれます。GitHub ActionsのClaude Code、IDEの拡張機能、デスクトップアプリから動かしたものは、-p を付けていてもClaude Codeの利用に数えられ、対象外です。
つまり、Claude Codeの上限に引っかかったときに、このクレジットで続きを回す、という使い方はできません。対話型のClaude Codeは、これまでどおりプランの利用枠で使います。同じClaudeでも、プランの利用枠とは財布が別です。
毎月入って、繰り越せない
一度リンクしたあとの動きは、次のとおりです。
- 毎月付与される: プランの支払いが済むと、ほどなく入る。年払いのTeamでも、クレジットは毎月入る(Maxは月払いのみ)
- 繰り越せない: 使わなかった分は、その請求期間の終わりに消える
- 先に使われる: 自分で買ったクレジットより先に、この毎月のクレジットが使われる
- 組織で共有される: リンクした組織のAPIキーを持つ人は全員、同じ残高から使う
- プランの上限は変わらない: Claude、Claude Code、Claude Coworkの利用枠は増えも減りもしない
- Consoleで見える: Consoleの「Settings > Billing」に、金額と期限が表示される
使い切ったときの動きは、組織の設定で変わります。自分で買ったクレジットや自動チャージがあれば、そちらに切り替わって動き続けます。どちらもなければ、APIのリクエストは次のクレジットが入るまで止まります。止まるだけで、Maxのプランに請求が回ることはありません。営業経由で請求書払いにしている組織は、超えた分が通常どおり請求されます。
プランを変えたときは次のとおりです。解約したり対象外のプランに下げたりすると、新しいクレジットは止まり、手元の分は期限まで使えます。Max 5xから20xに上げると、差額分がすぐに日割りで入り、次から毎月200ドルになります。MaxからTeamに移ると、Maxのリンクは外れ、Teamとして7日たってからOwnerが改めて受け取ります。
なお、6月に告知されていたAgent SDK向けのクレジットとは別物で、ヘルプには「そちらは利用できない」と書かれています。
得をするのは、APIで何かを作っている人
ここからは筆者の見方です。
毎月100ドルは、APIを試す予算としては小さくない額だと思います。同じ日に公開されたHaiku 5.5のような安いモデルを使えば、短い処理なら相当な回数を回せます。「作ってみたいけれど、API代を別に払うほどでは」と止まっていた社内の小さな自動化を、追加の支払いなしで試せるようになります。Teamなら、毎月の予算は最大500ドルまで増えます。
逆に、Claude CodeやClaudeのチャットしか使っていない人には、ほとんど関係がありません。私たちもこのブログの執筆にClaude Codeを使っていますが、使い方は対話型なので、このクレジットの対象外です。「Maxが実質無料」と言えるのは、もともと対象のAPIに毎月クレジット額以上を払っていて、それを毎月使い切れる人だけ、というのが正確なところだと思います(しかもMaxの100ドル、200ドルはWebで契約した場合の料金で、スマホのアプリ経由の契約は料金が違うことがあります)。
Anthropicは、Haiku 5.5の発表の中で、このクレジットの目的を「APIを呼び出すツール、アプリ、エージェントを作る試みを後押しするため」と説明しています。筆者はもう一歩踏み込んで、チャットやClaude Codeの利用者を、APIで作る側に引き込むための入口だと読んでいます。安くて速いHaiku 5.5を同じ日に出したのも、最初の一歩を軽くするためではないでしょうか。
最後に リンクする組織だけは先に決める
MaxかTeamを使っているなら、次の順で確かめてみてください。
- 表示を確かめる: claude.aiの「設定 > 請求」(Teamは「組織設定 > 請求」)に「APIクレジット」の欄があるか。加入から7日以内なら、まだ出ない
- リンクする組織を決める: 既存の組織の利用額、将来のTeamの予定、実験と本番を分けたいかで決める。会社の組織なら、誰がAPIキーで使えるかも確認する
- 使い道を1つ決める: 繰り越せないので、毎月何に使うかを決めておく。すぐに思いつかなければ、ConsoleのPlaygroundで新しいHaiku 5.5を試すところから始めてもいい
Maxなら、受け取り忘れの影響は自分の分だけです。Teamは違い、OwnerかPrimary Ownerが受け取らない限り、チーム全員の分が入りません。Teamを使っている会社は、誰が受け取るかを決めて、今月のうちに済ませておくのがよいと思います。