Claude Codeのクラウドセッションが正式版に 料金はプランの枠内、もらえる$250クレジットの使い道

9月24日の朝(日本時間)、Anthropicの開発者向け公式アカウント(@ClaudeDevs)が、クラウドセッションの正式提供を発表しました。クラウドセッションは、Claude Codeを自分のPCではなくAnthropic側のサーバーで動かす機能です。これまでは研究プレビュー(試験提供)の扱いでした。あわせて、既存の有料ユーザーに1回限りのクレジットが配られています。Proは100ドル、Maxは250ドルです。
この最初の発表は、「クラウドセッションは別料金になった」とも読める書き方でした。約4時間半後に同じアカウントが「混乱させてすみません」と訂正を出しています。先に結論を書くと、クラウドセッションはこれまでどおりProやMaxのプランの範囲で使えます。クレジットは、その前に使える「おまけの財布」です。筆者のアカウント(Max)で実際に受け取り、2件のタスクを流して、どれだけ減るかも測りました。
クラウドセッションは、PCを閉じても動くClaude Code
ふだんのClaude Codeは、自分のPCの中で動きます。PCを閉じれば作業も止まります。クラウドセッションでは、仕事を頼むたびにAnthropic側に作業用のコンピューター(仮想マシン)が1台用意され、そこにGitHubのリポジトリ(コードの置き場)が複製されて、Claudeが作業します。終わったら、作業用のブランチ(本流とは別の枝)に変更を送り、必要ならプルリクエスト(変更の取り込み依頼、以下PR)を開きます。
頼む場所は、ブラウザのclaude.ai/code、デスクトップアプリ、スマホのアプリ、ターミナルです。ターミナルなら claude --cloud "頼みたいこと" で送れます。途中経過はスマホからでも見られて、追加の指示も出せます。
用意されるマシンは、公式の文書によると4 vCPU、メモリ16GB、ディスク30GBのUbuntuです。私たちのサイト(Next.jsで作ったWebサイト)の本番ビルドは問題なく通りました。足りないツールは、クラウド環境の設定にある「セットアップスクリプト」にインストール手順を書いておくと、入れた状態が保存されて次の仕事から使い回されます(保存は1週間ほどで作り直されます)。
料金はいつものプラン、クレジットはその手前で減る
ClaudeのXアカウントでの最初の投稿は、誤解を招きやすい書き方でした。「既存の加入者は1回限りのクレジットで試せる」とだけあったので、「クラウドは今後クレジット払いになるのか」とも読めてしまいます。
訂正の投稿は、はっきりこう言っています。クラウドセッションは、Claude Codeのほかの部分と同じくProやMaxのプランで動く。今回のクレジットは任意の1回限りの特典で、クラウドセッションはまずこれを使い、なくなったら通常のプランの利用枠に戻る。公式の文書にも「クラウドの仮想マシンに別途の計算料金はかからない」と書かれています。
紛らわしいのは、Claudeにはもともと、プランの上限を超えて使うための有料の「利用クレジット」があることです。これは設定で有効にした人だけが使う従量課金で、今回の特典とは別物です。筆者のアカウントは有料の利用クレジットを無効にしたままですが、特典はそのまま使えました。
減る順番を表にするとこうなります。
| 順番 | クラウドセッションで使われるもの |
|---|---|
| 1 | 今回のクレジット(Pro 100ドル / Max 250ドル) |
| 2 | ふだんのプランの利用枠(5時間ごと・週ごとの上限) |
見落とされがちなのは、クレジットが通常の利用上限とは別枠だという点です。手元のClaude Codeで週の上限に達しても、クレジットが残っていればクラウドでは作業を続けられます。上限に悩まされているMaxユーザーには、ここが一番うれしいところかもしれません。
受け取りは10月8日15:59まで、失効は11月5日
受け取り方は公式の案内では2通りで、受け取り用のリンクを開くか、ターミナルのClaude Codeで /claim-credit を実行します。筆者の環境では、ブラウザで開いた設定の「使用量」画面の一番上に「250ドル分のクラウドセッションクレジットを受け取る」というボタンが出ていました。
ここで1つつまずきました。デスクトップアプリでは、入力欄の下にプレゼントの形のアイコンが出て、マウスを乗せると「クラウドセッション用の250ドル分のクレジットを受け取る」と表示されます。ところが、押しても何も起きません。

アプリの設定画面にも受け取りのボタンは出ていませんでした。受け取れないときは、ブラウザでclaude.aiを開いてみてください。
受け取るときに出る画面には、Xの投稿にはなかった条件が書かれていました。
- 受け取りの期限は10月8日15:59(日本時間)。Xの投稿の「10月7日まで」は米国時間です
- 受け取ったクレジットは11月5日16:59(日本時間)に失効します。使い切れなかった分は消えます
- ProjectsとRoutinesは対象外です。Projects(1つの会話から並列にクラウドで仕事を進める機能)や、決まった時刻に自動で動かすRoutinesでは、このクレジットは使われません
- 対象は既存のProとMaxの契約者で、受け取ると特典の利用規約に同意したことになります
ブラウザやスマホからクラウドセッションを始めるには、GitHubとの連携が要ります(ターミナルの claude --cloud には、手元のリポジトリをまとめて送る方法もあります)。設定の「コネクタ」からGitHubを連携すれば、公開リポジトリは扱えるようになります。非公開のリポジトリを使うなら、GitHub側に「Claude」というアプリを入れる手順がもう1つあります。このとき「Only select repositories」を選ぶと、Claudeに触らせるリポジトリを1つずつ指定できます。私たちは、このブログを含むコーポレートサイトのリポジトリだけを許可しました。
2件流して、残高の表示は2ドル減った
250ドルがどのくらいの量なのか、実際に流して測りました。使ったのはOpus 5.5、effort(考える深さ)は標準の「中」です。
1件目は読み取りだけの調査。 このブログの全103記事に張られた、記事同士のリンク304本がすべて実在する記事を指しているかを調べさせました。1分ほどで「リンク切れは0件」と返ってきて、残高の表示は250ドルから249ドルになりました。
2件目は実装。 サイトのヘッダーが幅320pxのスマホで窮屈になっている、という以前からの宿題を直させました。クラウド側のClaudeは、依存ライブラリを入れてサイトをビルドし、ブラウザを自動で操作するツールで幅を変えながら測るところから始めました。「320pxでは中身が349pxまで広がり、『お問い合わせ』が画面の外で切れている」と原因を特定し、狭い画面ではロゴとメニューを2段に分ける修正を入れ、もう一度ビルドして測り直し、関連する文書も更新してブランチに送ってきました。所要4分ほどで、残高の表示は248ドルになりました。
画面の残高は1ドル単位の表示で、どう丸めているのかも分からないので、1件あたりの正確な額は出せません。言えるのは、読み取りだけの調査と小さな実装のどちらでも、表示は1ドルずつしか減らなかった、ということです。ちなみに、1件目の前後でふだんのプランの利用枠は動きませんでした。クレジットが先に使われる、という説明どおりです。
小さな発見もありました。1件目は日本語で頼んだのに、報告は英語で返ってきました。2件目は頼む文の頭に「日本語で作業・報告してください」と書いたところ、日本語で返ってきています。
試すなら、PCの前にいなくていい仕事から
今回くらいの仕事なら、250ドルはかなりの量です。仕事の重さで減り方は変わるので件数には直せませんが、11月5日の期限までに使い切る人はそう多くないと思います。せっかくなら、ふだん「PCの前で待っているのがもったいない」と感じていた仕事から渡してみてください。
- 後回しにしていた小さな宿題を片付ける。 私たちのヘッダーの件がまさにこれで、引き継ぎメモの残課題に載ったまま、しばらく手が回っていませんでした。気にはなっているけれど、自分で時間を取るほどではない。そういう仕事はどの現場にもあるはずです
- 最初の1件は点検系にする。 リンク切れ探しのような読み取りだけの仕事は、変更を伴う仕事より影響を小さく抑えやすいです。念のため、権限モードを「Plan」(調べて計画を出すだけで、ファイルは変えない)にしておくと安心です
- 寝る前や外出前に投げる。 終わるまで見張る必要のない仕事なら候補になります。朝にブランチやPRを見るだけで済みます
- 手元の上限に達したあとの続きに使う。 週の上限に達した日でも、クレジットが残っていればクラウドでは作業を続けられます
逆に、向かない仕事もあります。手元のPCにしかないファイルや社内ネットワークには、クラウドのマシンからは届きません。メモリを大量に使う重いビルドは、途中で止められることがあります。外部サービスへの接続(MCPコネクタ)の承認待ちで放置すると、その間にセッションが期限切れになる場合もあります。
頼むときは、どこまでやったら止まるかを文章で書いてください。今回は「ブランチに送るところまで。PRの作成と本流(main)への反映は絶対にしない」と書き、Claudeはそのとおりに止まりました。私たちのサイトは、本流に変更が入ると自動で本番に公開される仕組みなので、ここは外せません。
ただ、指示文はお願いであって、鍵ではありません。私たちはGitHub側で、Claudeが触れるリポジトリを1つに絞っています。本番に出る本流への反映を確実に防ぎたいなら、GitHubの「保護ブランチ」の設定で、本流への変更はPRを通したものだけに限り、管理者も含めて例外を認めない、というところまで決めておくべきだと思います。名前だけ付けても、中の設定を選ばなければ守られません。
最後に
ここまでが公式の発表と、私たちが試して確かめた事実です。ここからは筆者の考えになります。
今回のクレジットは「タダでもらえるお金」として見ると、使い道に迷うと思います。それより、「PCの前で見張らずに、Claudeに仕事を最後まで任せる」ことを練習する費用だと考えた方がいいのではないでしょうか。手元のClaude Codeに慣れた人ほど、作業の一手一手を見ていないと落ち着かないものです。クラウドセッションでは、その見張りを手放して、終わりの条件だけを書いて渡すことになります。
すぐ試すなら、まずは10月8日までにクレジットを受け取るところまで済ませてください。次に観察したいのは、11月5日の失効のあと、クラウドセッションがふだんのプランの利用枠をどれだけ使うかです。今回のような仕事が、5時間ごとの上限の何%に当たるのか。それが分かれば、クラウドを日常的に使うかどうかを判断できると思います。