Geminiの無料版はFlash-Liteだけに 10月9日からのプラン別モデル変更まとめ

Googleが、Geminiアプリで使えるモデルをプランごとに分け直すと発表しました。Geminiアプリのヘルプによると、無料版で使えるのは、10月9日からいちばん軽いFlash-Liteだけになります。 月725円のAI Plusでも、適用日は個別に知らされるものの、上位のProモデルは使えなくなります。
Xでは、変更点を表にまとめて「かなり改悪」とした投稿や速報が数百のいいねを集めています。何がどう変わるのか、開発ツールAntigravityでのプラン別の扱い、ChatGPTやClaudeの無料版との違いまで、公式の情報から整理します。
10月9日から、無料版で使えるのはFlash-Liteだけ
今回の変更の対象は、個人のGoogleアカウントでGeminiアプリを使う場合です。Google AIのプランに入っていない人には、10月9日から適用されます。AI Plusの人には、いつから適用されるかを知らせるメールが届く予定です。
変更後に使えるモデルは、次のとおりです(価格は日本の料金ページの月額)。
| プラン | Flash-Lite | Flash | Pro |
|---|---|---|---|
| プランなし(無料) | ○ | × | × |
| AI Plus(725円) | ○ | ○ | × |
| AI Pro(2,900円) | ○ | ○ | ○ |
| AI Ultra(14,500円から) | ○ | ○ | ○ |
いまは、どのプランでも3つのモデルすべてを使えます。プラン別の上限を説明するヘルプの表は、執筆時点でまだ全プラン○のままで、料金ページでも無料版に「3.6 Flash へのアクセス」「3.1 Pro へのアクセス(制限あり)」と書かれています。執筆時点では、これらのページに変更前の記載が残っています。
使用量の上限の倍率は変わりません。AI Plusは無料版の2倍、AI Proは4倍、AI UltraはAI Proの5倍か20倍です(変更の案内と料金ページの記載。日本語版の上限のヘルプは、執筆時点で「4倍または20倍」と別の数字になっています)。上限は5時間ごとに戻り、週の上限もあります。一度に読み込める量(コンテキストウィンドウ)も、無料版が3万2,000トークン、AI Plusが12万8,000トークン、AI ProとUltraが100万トークンと、もともとプランで差が付いていました。今回は、そこにモデルの差が加わった形です。
割を食うのはAI Plus、AI ProにはDeep Thinkが来る
失うモデルの数でいえば、FlashとProの両方がなくなる無料版がいちばん大きく変わります。ただ、払っている金額に対して見ると、割を食うのはAI Plusの利用者だと思います。月725円を払っていても、Proモデルが選べなくなるからです。Xでも「金払ってもFlashまでしか使えないとは」という不満や、AI Plusに下げるつもりだった人の迷う声が出ています。
AI Plusに付いてくるものは、使用量の上限が無料版の2倍になること、動画の生成、Google Flowのクレジット、400GBのストレージなどです。Proモデルで難しい質問を解かせる使い方をしていた人にとっては、プランの中身が変わることになります。適用日はメールで知らされるので、届いたら一度プランを見直す時期だと考えておくとよさそうです。
逆に、要約や下書き、ちょっとした調べものが中心なら、Flashで足りる場面は多いはずです。AI PlusのままFlashを使うか、Proモデルのために月2,900円のAI Proに上げるか。いちばんの判断材料は、普段どれだけ難しい作業をGeminiに任せているかです。そのうえで、使う量や、ストレージ・Google Flowなどの特典を使っているかも比べることになります。
上のプランには、良い変化もあります。複数の考え方を並行して試す「Deep Think」は、いまはAI Ultraだけの機能ですが、変更後はAI Proでも使えるようになります。Xでも「この中で唯一の良い点」と評価する声がありました。Deep ThinkはProモデルで動くので、Proモデルが使えるプランに限られます。
考える深さの選び方も変わります。いまの「標準」と「拡張」の2段階から、モデルごとに「低」「中」「高」の3段階で選べるようになります。深くするほど回答は丁寧になりますが、そのぶん使用量の上限も早く減ります。無料版やAI Plusでは、Flash系のモデルを「高」で使えば、用途によっては不足を補えるかもしれません。ただ、深く考えさせることとモデルそのものの力は別なので、これまでのProモデルと同じ結果になるとは限りません。
Antigravityでも、Claudeの新モデルはAI Pro以上に
Googleの開発ツール「Antigravity」でも、プランによってモデルの線引きがされています。Claudeの新しいモデルが入ったことは、Xでも話題になりました。現在のAntigravityのモデル一覧は次のとおりです。
| モデル | 無料・AI Plus | AI Pro | AI Ultra | Enterprise |
|---|---|---|---|---|
| Gemini 3.8 / 3.7 / 3.6 Flash、3.1 Pro | ○ | ○ | ○ | ○ |
| Claude Opus 5.5・Sonnet 5.5 | × | ○(試用期間を除く) | ○ | × |
| Claude Opus 4.6・Sonnet 4.6 | ○(11月2日まで) | ○(11月2日まで) | × | × |
| GPT-OSS-120b | ○(11月2日まで) | ○(11月2日まで) | ○(11月2日まで) | × |
新しいClaude Opus 5.5とSonnet 5.5を使えるのは、AI Pro(試用期間中は対象外)とAI Ultraだけです。無料とAI Plusで使えていたClaude 4.6系は11月2日に外れるので、そのあとは無料とAI PlusではClaudeが使えなくなります。
おもしろいのは、Antigravityでは無料版でもGemini 3.1 Proが使えることです。Geminiアプリでは無料版からProモデルが外れるのに、開発ツールでは残っている。Googleは「どの製品で、どのモデルを、どのプランに渡すか」を細かく分け直しているように見えます。とはいえ、Antigravityはコードを書くためのツールなので、チャットの代わりに使えるのはプログラムを書く人に限られます。Proモデルを無料で使い続けるための抜け道として考えるものではありません。
無料版に何を残すかで、ChatGPT・Claudeと分かれた
ほかの2社の無料版と比べると、Geminiの無料版の位置づけがはっきりします。
| サービス | 無料版で使えるモデル | 補足 |
|---|---|---|
| Gemini(10月9日以降) | Flash-Lite | Flash以上は有料プランから |
| ChatGPT | GPT-5.6 Luna | 「Think」で考える時間を延ばせる。ふだんの文字のチャットは回数の上限なし(乱用防止の制限あり) |
| Claude | Sonnet、Haiku | Opus、Fableは有料プランから |
ChatGPTは無料版のFAQで、無料の利用者はGPT-5.6 Lunaを使え、ふだんの文字のチャットは回数の上限がないとしています。Claudeは料金ページの比較表で、無料版でもSonnetとHaikuが使え、OpusとFableは使えないとしています。
どの会社も、最上位のモデルは有料プランに置いています。違うのは、無料版に何を残すかです。Claudeの無料版には、有料版と同じ「Sonnet」の系統が入っています。Geminiの無料版は、自社のラインアップでいちばん軽い位置づけのFlash-Liteだけになります。この表だけでは、各社のモデルのどちらが賢いかまでは比べられません。それでも、最初に触るのがラインアップの中でいちばん軽いモデルだと、有料プランの良さを知る前に別のサービスへ移る人も出てくるのではないか、と筆者は見ています。
仕事で使っているなら、個人アカウントか会社のアカウントかを確かめる
今回の変更は、個人のGoogleアカウントで使うGeminiアプリが対象です。会社や学校のGoogle Workspaceのアカウントで使うGeminiは、ヘルプにある別の表で、Workspaceのエディションごとに使える範囲が決まっています。
気をつけたいのは、社員が個人の無料アカウントのGeminiを仕事に使っている場合です。10月9日以降、その社員が使えるのはFlash-Liteだけになります。そこで起きうることは2つあります。1つは、答えの質が変わったことに気づかないまま使い続けること。これは、会社が認めた使い方であっても起きる品質の問題です。もう1つは、不便になって、会社が把握しないまま別のAIに乗り換えること。こちらは、会社の知らないところでAIが使われるシャドーAIの問題になります。
社内で「Geminiを使っていい」と案内しているなら、個人アカウントなのか、会社のWorkspaceなのか、どのプランなのかまで決めておかないと、人によって使えるモデルがばらばらになります。今回の変更は、その点を確認するきっかけになると思います。
最後に 使い方に合わせて、プランを選び直す
今回の変更は、「Proモデルを使いたいなら、月2,900円のAI Proから」というGoogleの線引きです。自分や自社がどこに当てはまるかは、次の3つを確かめると分かります。
- Geminiをどのアカウントで使っているか。 個人のGoogleアカウントなら今回の対象、会社のWorkspaceなら対象外
- Proモデルを使う作業があるか。 難しい分析やコーディングでProを選んでいたなら、AI Proに上げるか、ほかのサービスに移るかを考える。要約や下書きが中心なら、Flashで足りる場面は多い
- AI Plusなら、適用日のメールが届いているか。 届いたら、その日までにプランを決めておく
機能だけを見れば、ChatGPTやClaudeの無料版で足りる作業もあるはずです。ただ、仕事の情報を個人の無料アカウントに入れてよいかは、また別の問題です。社内のルールと、各サービスでのデータの扱いを確かめたうえで選んでください。