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Grok・Cursor・Xを1つに The X Subscriptionとは 他社プランとの比較も

AIニュース業務活用
寺師 岳見監修: 寺師 岳見(株式会社タレントクラウド 代表取締役)フォロー最新のAI情報を発信中
The X Subscriptionの文字と「Grok・Cursor・Xが1つのプランに」というキャッチ。チャット、コード、SNSの3つの一般的なアイコンが「1つの契約」にまとまり、「Xの特典もセット」「他社モデルは別払い」という2つの要点が添えられたインフォグラフィック

日本時間10月13日の朝、Grokを作っているSpaceXAIが「Grok、Cursor、X Premiumのプランを統一した」と発表しました。名前は「The X Subscription」。AIのチャット、コードエディタのCursor、エージェントのGrok Bot、そしてSNSのXの有料機能を、1つの契約と1つの請求でまとめて使えるようになります。

日本語圏のXでは「30ドルで全部使えるのは強い」「CursorとGrokを別々に払っていた人はまとめたほうが得」と歓迎する声が目立ちます。実際、Grokを中心に使う人には得になりやすい作りです。ただ、Cursorの中でClaudeやGPTを主に使っている人にとっては、新しいプランのほうが高くつく可能性があります。誰の得になるのかは、何のAIを使っているかで分かれます。

5つのプランと、日本での価格

プランは無料から月200ドルまでの5段階です(公式の発表、料金ページ、プランの説明)。

プラン月額(米ドル)Xでの日本向け表示主な中身
Free0ドル—Grokを毎日少し、Cursorのエージェントをお試し程度。Xは通常の機能
Plus8ドル1,280円GrokとCursorを共通の枠で。Xの認証マーク、広告の削減、クリエイター向けの機能。Grok Botと、Cursorでの他社モデルは含まれない
Premium30ドル5,280円Plusの4倍の枠。Grok Bot。SuperGrok、Cursor Pro、X Premium+の特典をまとめたもの(公式によると、これまでは合計で月90ドル)
Super100ドル17,800円Plusの15倍の枠。混雑時の優先
Ultra200ドル34,800円Plusの50倍の枠

日本円の価格は、10月13日にXの申込画面で表示された通常価格です(初回の割引は除いています)。ドルの価格は税を含まない表示で、日本円も含めて最新の価格と税の扱いは申込画面で確かめてください。年払いにすると、ドル建てでは約2か月分安くなります。チーム向けは、Premium・Super・Ultraの席を1人ずつ選べて、1席30ドルからです。

SpaceXAIは「どのプランも、置き換える前の同等のプランより、自社モデルの1ドルあたりの使用量が多い」と書いています。公式の発表では、どのプランも、Grokのモデルでのコーディングに使える量は、同等のCursorのプランの少なくとも2倍です。ただし、Plusの枠が具体的にどれだけなのかという絶対量は公表されていません。「4倍」「15倍」は、あくまでPlusとの比です。

チャットもコーディングもエージェントも、1つの枠を分け合う

有料プランの1席ごとに、週ごとの使用量の枠が1つ付きます(使用量の上限の説明)。この枠を、Grokでのチャットや画像、コーディングのGrok Build、CursorでのGrokのモデル、Grok Botが分け合います。製品ごとに上限が決まっているのではないので、今週はCursorでたくさんコードを書き、来週はGrok Botにまとめて仕事を任せる、といった使い方ができます。チームの場合、枠は席ごとで、席どうしで分け合うことはありません。

裏を返せば、どれか1つで使いすぎると、ほかにも響きます。Grok Botを動かし続けて週の半ばで枠を使い切れば、そのあとは、週の枠が戻るのを待つか、前払いのクレジットを足して追加で使うかのどちらかになります。クレジットの自動補充はオンにしなければ働かず、使いすぎを防ぐ上限やアラートも設定できます。

この枠に入らないのが、Cursorの中で使うClaudeやGPTなど他社のモデルです。新しいプランで他社のモデルを使えるのはPremium以上で、最初の1回からAPIの定価で、前払いのクレジットから支払います。チームの場合は、さらに100万トークンあたり0.25ドルの「Cursor Token Rate」が上乗せされます(Cursor Token Rateの説明)。GrokやCursorのComposerといった自社のモデルは、このToken Rateの対象外です。Cursorは発表の中で、この変更を「Grokをより多く使えるようにするため」と説明しています。

他社のAIプランとの違いは「Xが入っていること」と「他社モデルの扱い」

チャットとコーディングを1つのプランにまとめる流れ自体は、xAIだけのものではありません。

まとまっているもの他社モデルの扱い
The X SubscriptionGrok(チャット・画像・動画)、Grok Build、Cursor、Grok Bot、Xの有料機能Cursor内の他社モデルはPremium以上で使え、枠の外でAPIの定価で別払い
ChatGPTのPlusやProChatGPT、コーディングのCodex(Proは常時稼働のdotsも。対象地域で段階的に提供)自社モデルが中心
ClaudeのProやMaxClaude、Claude Code、Cowork自社モデルが中心
GoogleのAI Pro・UltraGemini、開発ツールのAntigravityなどAntigravityではAI Pro以上(AI Proの試用期間を除く)でClaudeの新モデルも使える(当ブログの解説)

この中でxAIのプランにしかないものは、SNSです。Premium以上なら、X Premium+と同じ特典(広告がほぼ出ない、返信が上位に出やすいなど)が付きます。ChatGPTやClaudeのプランに、SNSの機能は含まれていません。Xで発信しながらAIも使っている人にとっては、2つの支払いが1つになります。

もう1つの違いは、他社のモデルの扱いです。Cursorは、もともとClaudeやGPTも選べるコードエディタとして広まり、8月にSpaceXの一員になりました。今回、そのCursorの中で、Grokのモデルは定額の枠の中、他社のモデルは別払い、という線が引かれました。Googleが自社の開発ツールの中でClaudeの新モデルをプランの範囲で使えるようにしているのとは、料金の上では対照的です。

切り替える前に確かめたい6つのこと

切り替えは任意で、今のCursor、SuperGrok、X Premiumの契約は、変えなければそのまま続きます(切り替えは必要かの説明)。ただし公式の発表は、いずれ残っている利用者も新しいプランに移す予定で、時期は未定、変える前には事前に知らせる、としています。新しくセルフサービスで申し込む人は、最初からThe X Subscriptionになります(プランの説明)。

  1. 元に戻せない。 切り替えは永続的で、サポートに頼んでも元に戻せません(概要)
  2. Cursorで何のモデルを使っているか。 ClaudeやGPTを主に使っているなら、新しいプランではPremium以上を選んだうえで、全部が別払いになります。今のCursorのプランなら、切り替えるまでは、プランに含まれる他社モデルの利用もそのまま続きます
  3. どこから切り替えるか。 有料のCursorを使っているなら、Cursor側から始めます。Xの画面から切り替えると、Cursorは含まれません(X Premium利用者の移行)
  4. アプリ経由の支払いは扱いが違う。 iPhoneやiPadのアプリでCursorを契約している場合は、切り替えても止まらないので自分で解約し、返金はAppleに申し込みます。Google Playで払っている分も、切り替えたあとに自動更新が止まっているかを自分で確かめます
  5. Grok Botを使うならPremium以上。 8ドルのPlusにはGrok Botが含まれません
  6. Xの特典は、個人のXアカウントをつないだときだけ。 会社が管理するXアカウントはつなげません

会社で使う場合は、もう1点あります。チームプランでは、席ごとのXの特典を受け取るのに、メンバーが自分の個人のXアカウントをつなぐ仕組みです(チームプランの説明)。会社のお金で払う契約に、社員の個人のSNSアカウントが結び付くことになります。また、個人のアカウントと、Enterpriseのアカウントは1つにまとめられません。会社として導入するなら、誰のどのアカウントをどの契約にまとめるかを、最初に決めておく必要があります。

考察 Grokを選ぶほど得になる料金の形

ここまでが公式の発表と説明に書かれていることです。ここから先は筆者の読みになります。

今回の統一は、支払いを1つにまとめる便利さと同時に、Grokのモデルを使うほど定額の価値を回収しやすく、他社のモデルを使うほど費用が増える料金の形を作ったと思います。自社モデルで使える量を増やし、Cursorの中の他社モデルをAPIの定価に移す。この2つを同時に行ったことで、利用者は自然とGrokの側に寄せられる、と見ています。

利用者の側から見ると、判断はかなり単純になります。Grokで足りる人、XとAIの両方に払っている人には、30ドルのPremiumは魅力的です。一方で、コードはClaudeで書くと決めている人にとって、Cursorは「好きなモデルを選べるエディタ」から、「ClaudeやGPTなど他社のモデルは別料金のエディタ」に変わりつつあります。

次に見ておきたい目印は2つあると思います。1つは、今のCursorのプランを新しいプランに移す時期がいつ告知されるか。もう1つは、Cursorの利用者が、GrokやComposerのモデルをどれだけ選ぶようになるか。移行の時期が近づいても、他社のモデルを使い続ける人が多ければ、Cursorを使い続けるかどうかを考え直す人が出てくるでしょう。

最後に 切り替えるのは、Grokが主役の人から

切り替えて得をしやすいのは、SuperGrok、X Premium、Cursorのうち2つ以上に払っていて、Grokを日常的に使っている人です。支払いが1つになり、Grokのモデルなら使える量も増えます。

一方で、Cursorで主にClaudeやGPTを使っている人、会社のアカウントで使っている人は、急いで切り替える理由はありません。Plusの枠の絶対量は公表されていないので、倍率だけでは損得を計算できません。切り替えは元に戻せないので、まずは自分の先週の使い方を見て、Grokのモデルと他社のモデルのどちらを多く使ったか、週にどれだけ使っているかを確かめるところからです。

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