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Claude Fable 5.1が登場 Proは追加課金、Maxは枠内で使える

AIニュースClaude
寺師 岳見監修: 寺師 岳見(株式会社タレントクラウド 代表取締役)フォロー最新のAI情報を発信中
「値段は据え置き、実質2〜4割安く」というキャッチとともに、コスト約25%減(エージェント的な作業は最大45%減)、作業の中断約60%減、Fable 5.1は一般提供でMythos 5.1は審査を通った組織のみ、の3点を示したインフォグラフィック

2026年9月1日、Anthropicが新しいモデルを発表しました。Claude Fable 5.1とClaude Mythos 5.1です。

名前が2つ並んでいて、いきなり分かりにくい。しかも片方は、私たちが6月に記事にしたあの騒動でいったん消えた名前です。

先に要点だけ。私たちが触れるのはFable 5.1のほうで、有料プランならすでに選べます。 トークンの単価は変わっていないのに、実際の請求は下がる仕組みが入りました。そして7月からコーディング中に起きていた「途中で止められる」現象について、改善の見通しが公式から示されています。

2つの名前は、同じモデルの安全装置違い

公式の説明はこうです。

Claude Fable 5.1とClaude Mythos 5.1は同じモデルですが、セーフガードのレベルが異なります。

土台のモデルは同一で、違うのは安全装置の強さ、ということです。

  • Fable 5.1: 一般提供。有料プランなら選べる
  • Mythos 5.1: 審査を通った組織だけ。サイバー防御と生命科学の専門家向けに、制限を緩めた版

Mythos側が絞られているのは、6月の経緯を追ってきた方には腑に落ちると思います。あのときは脆弱性の発見から悪用コードの生成まで到達できてしまうことが分かり、米政府の輸出管理が動いて日本からも使えなくなりました。今回のMythos 5.1も、現時点では米国内の一部組織に限られています。

面白いのは、この2つでベンチマークの点数が違うことです。ターミナルでのコーディングで、Fable 5.1が55.8%、Mythos 5.1が60.9%。同じモデルなのに、安全装置の分だけ製品としての性能が変わる。 モデルの実力とは別に、安全装置込みで何ができるかを見る必要がある、ということです。

自分のプランでいくら払うのか

ここが今回いちばん分かりにくく、そして実利に直結します。まず前提から。

Fable 5.1は有料プラン限定です。 公式ヘルプによると、無料プランでは使えません。Claude Codeで使う場合はバージョン2.1.250以降が必要です。

そのうえで、契約しているプランによって支払い方が3種類に分かれます

契約Fable 5.1の扱い
Max、Teamやシート型Enterpriseのプレミアムシートプランに含まれる。週次上限の最大50%まで追加料金なし。使い切ったあとも追加課金で続けられる
Pro、Teamやシート型Enterpriseの標準シートプランの枠に含まれない。最初から追加課金(usage credits)。事前の有効化と残高が必要で、単価はAPI料金と同じ
API、従量課金のEnterpriseAPI料金がそのままかかる

なお、プレミアムシートの「週次上限の50%まで」は、他のモデルと同じ枠を分け合う形です。Fableで半分使えば、その分だけ全体の残りが減ります。

ここで誤解しやすいのが、Proの扱いです。Proでも Fable 5.1 は使えます。 claude.aiのモデル選択にちゃんと出てきますし、Claude Codeでも選べます。使えないのは無料プランだけです。

Proで違うのは、料金の出どころです。Fableはプラン料金の内側に入っていないので、使った分が追加課金として別に乗ります。7月19日に終わった一時的な特典では枠内で使えていましたが、いまはその形ではありません。5.1も同じ扱いです。

「選べるかどうか」と「追加でお金がかかるかどうか」は別の話、と考えると分かりやすいと思います。

入出力の単価は据え置き、それでも請求は下がる

通常の入力と出力の単価は変わっていません。入力が100万トークンあたり10ドル、出力が50ドル。Fable 5と同じです。

下がったのはキャッシュ読み取りの料金で、75%引きの100万トークンあたり0.25ドルになりました。

キャッシュ読み取りとは、一度処理した内容を保存しておき、次に同じものを参照するときの料金です。長い会話を続けたり、大きなコードベースを何度も見に行ったりすると、この「読み直し」が積み上がります。道具をたくさん使うエージェント的な作業では、ここがコストの中心になります。

その部分が4分の1になった結果、公式の試算ではこうなります。

使い方Fable 5比のコスト
一般的な作業約25%減(推定)
道具を多く使うエージェント的な作業最大約45%減

下がるのは、トークン単位で請求される部分です。 APIの利用分、そして追加課金(usage credits)で払っている分。プレミアムシートで週次枠を使い切ったあとの追加分にも効きます。月額料金そのものが下がるわけではありません。

また、キャッシュの読み直しが少ない使い方なら、下げ幅も小さくなります。公式の数字は「典型的な作業で約25%、道具を多用するエージェント的な作業で最大45%」という推定です。

週次上限のあるMaxプランの方が気になるのは「上限に当たりにくくなるのか」だと思いますが、そこは今回の値下げとは別の話です。安くなったのは請求額であって、消費する量が自動的に減るわけではありません。ただし、事前に試したRogo社が「自社の金融ベンチマークではFable 5と同じ精度でトークンが20%少なかった」と報告しており、作業内容によっては消費自体が減る可能性はあります。自分の使い方で本当に減るかは、/usage で前後を見比べるしかありません。

7月に書いた副作用の、答え合わせ

私たちは7月の復活記事で、新しい安全装置が保守的すぎてふつうのコーディングやデバッグでも作業が止められ、別のモデルに回される副作用を書きました。「継続的に誤検知を減らすと公式が明言しているので、時間とともに緩む可能性はある」とも。

今回の発表を、当時の論点ごとに並べるとこうなります。

改善の見通しが出たもの。 Claude Codeでのサイバーセキュリティ関連の介入が、1セッションあたり平均で約60%減るとAnthropicが説明しています(Fable 5に入っていた従来の安全装置との比較)。ただしこれは公式の試算値であり、実際の業務で体感がどう変わるかは使ってみないと分かりません。

明確に変わったもの。 Fable 5.1では、ソースコードの脆弱性を「見つける」作業が許されるようになりました。防御側の仕事です。一方で、エクスプロイト(攻撃コード)の生成、侵入テスト、バイナリを解析する脆弱性スキャンは、引き続きFableでは扱いません。claude.aiやClaude Codeのように自動でモデルを切り替える環境では、Opusモデルに引き継がれます(APIで自分で組んでいる場合は、切り替えを自分で設定していなければそこで止まります)。

まだ分からないもの。 7月に困ったのは、セキュリティとは関係ない普通の開発作業まで止まることでした。今回の60%減はサイバー関連の介入についての数字なので、それ以外の場面でどうなるかは公式からは読み取れません。生物学まわりについては、初歩的な質問や医療相談での誤検知が、Fable 5の提供開始時の安全装置と比べて85%減ったと別途説明されています。

なお、脆弱性チェックが解禁されたからといって、AIに任せれば安全になるわけではありません。見落としも誤検知もありますし、専用の検査ツールや専門家のレビューを置き換えるものではない、という前提は変わりません。

賢さは数字より「質」に出ている

ベンチマークの要点です。

項目Fable 5.1Fable 5Opus 5
科学研究のタスク(Terminal-Bench-Science)52.6%24.7%29.0%
ターミナルでのコーディング(Terminal-Bench 4.0)55.8%(Mythos 5.1は60.9%)42.0%52.3%
知識労働(GDPval-AA v2、スコア)185317231824

科学研究の項目が倍以上ですが、数字の読み方には注意が要ります。公式によれば、この評価は安全装置を有効にしたまま行われており、途中で介入が入ったタスクは0点として扱われたり、別のモデルに引き継がれたりしています。純粋なモデルの実力比べではない、ということです。

経営や現場の判断に効くのは、むしろ質の変化のほうだと思います。事前に試した企業のコメントから2つ。

Every社のCEOは「Fable並みの知能、Opus並みの価格、Sonnet並みの速さ。私たちのテストではOpus 5の約2倍速く、トークン消費は半分だった」と書いています。速度とコストの両立です。

Millennium社のシニア・ポートフォリオマネージャーは、4〜5年間チームの誰も説明できなかった100万回に1回のクラッシュを、Fable 5.1が突き止めたと述べています。外部ライブラリを解析してバグに辿り着いた、と。その場しのぎで隠すのではなく原因まで行く、という変化です。

いずれも導入前に試した企業のコメントであり、Anthropicが選んで載せたものです。自社の仕事で同じ結果が出るかは別問題ですが、どういう方向に伸びたかの手がかりにはなります。

使う前に知っておく設定がひとつ

Fable 5.1にはどれだけ考え込ませるかの設定があり、使う場所によって初期値が違います

  • Claude Code: High(高め)
  • Claude Cowork、claude.ai: Medium(中くらい)

公式によれば、LowやMediumの設定でも、ベンチマーク上はFable 5と同等かそれ以上の結果が、はるかに低いコストで出ています。claude.aiで普通に使う分には、初期設定のままで足りる場面が多いはずです。

逆に、設定を上げれば必ず良くなるとも限りません。コストと所要時間のほうは増えやすくなります。重い調べ物や難しい実装のときだけ上げる、という使い分けが現実的です。

自分の契約で、何を確かめるか

立場ごとに、確かめるべきことが違います。

Proをお使いの方。 Fableは追加課金です。まず設定画面のUsageで残高を確認し、単価は公式の料金ページで見てから使い始めてください。日常の作業はSonnet系、要所でFable、という切り分けが無難だと思います。

Maxをお使いの方。 週次上限の半分までFableに使えます。5.1に切り替えたあと、同じ仕事で消費がどう変わるかを /usage で前後比較する。ここだけは実測しないと分かりません。

APIで組み込んでいる方。 今回いちばん動く理由がある立場です。長い文脈を繰り返し読む作りのシステムほど、キャッシュ読み取りの値下げが効きます。

Claude Codeで止められて困っていた方。 バージョンを2.1.250以降にしたうえで、以前止まった作業をもう一度試すのが早いです。

私たち自身も、この記事の執筆時点ではまだ本格的な比較をしていません。日々の記事制作とコード作業で、消費量と中断の頻度がどう変わるかを1〜2週間見るつもりです。数字が出たらまた書きます。

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