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NotebookLMがGemini Notebookに改名 名前以外に何が変わるのか

AIニュース業務活用
寺師 岳見監修: 寺師 岳見(株式会社タレントクラウド 代表取締役)フォロー最新のAI情報を発信中
NotebookLMからGemini Notebookへの改名を整理したインフォグラフィック。データはそのままで、クラウドコンピュータによる計算、Geminiアプリとの同期、検索AIモードへの搭載という3つの変化と、汎用チャットのGeminiと資料に基づく専用ノートのGemini Notebookという役割分担を図解

以前の記事で「社内の資料やナレッジをAI化できるツール」として紹介したNotebookLMが、名前を変えました。新しい名前はGemini Notebook。当ブログでおすすめした手前、名前だけの話なのか、中身も変わるのかはきちんと追いかける必要があります。

結論から言うと、名前だけではありませんでした。発表を読み込むと、実務に関わる変化が3つ入っています。順に見ていきます。

何が起きたか 3年で「実験」からGeminiの一員へ

米国時間の7月16日、Googleが公式ブログで発表しました。NotebookLMは2023年のGoogle I/Oで「Project Tailwind」という実験として生まれ、いまや3,000万人以上・60万を超える組織が使うまでに成長。その節目での改名です。

Googleは「これまでどおり独立した製品のままで、名前が変わっただけ」と強調しています。発表の投稿でも「あなたが知って愛してきた同じアプリはどこにも行きません」と、既存ユーザーの動揺を先回りして抑える書き方でした。実際、データも使い方もそのままで、本稿時点ではnotebooklm.googleというURLも生きています。

とはいえ、この改名は単なる看板の掛け替えではありません。昨日のGemini Sparkの記事でも触れたとおり、GoogleはいまAI製品群を「Gemini」ブランドに集約しています。Sparkに続いてNotebookも傘の下へ。この文脈の中で、名前以外の変化を見ると意味がはっきりします。

変化その1: ノートブックが「計算」できるようになる

今回の発表でいちばん実務インパクトが大きいのがこれです。すべてのノートブックにセキュアなクラウドコンピュータを付けるアップデートが始まりました。ただし利用できるプランは段階的です(後述)。

これまでのNotebookLMは、読ませた資料を根拠に「答える」「要約する」「音声解説にする」ツールでした。それが今回から、ノートブック自身がコードを書いて実行できるようになります。公式の説明では、ソースに根ざした複雑なデータ分析が可能になり、まったく新しい出力形式にもつながるとのこと。ざっくり言えば、読んで答えるだけだったノートが、電卓と分析ツールを持ったわけです。

では具体的に何ができるようになるのか。公式が明言しているのは「複雑なデータ分析」と「新しい出力形式」までですが、コード実行環境を持つAIツールの定番の使われ方から想定すると、業務では次のような場面が変わってきます。

  • 数字の正確な集計: 生成AIは言葉の続きを予測する仕組み上、実は計算そのものが得意ではありません。コードを実行して計算する方式なら、読ませた売上表の月別合計や前年比のような集計を正確に出せます
  • 資料からのグラフ作成: 店舗の日報や売上データを読ませて、推移グラフや分布図まで出す、という流れがノート1冊で完結します
  • アンケートや帳票の「数えて仕分ける」仕事: 回答データの集計やクロス分析、請求書PDFの束から金額を拾って分類する、といった作業
  • 読ませた実績に基づく試算: 料金表や過去実績を根拠にしたコストシミュレーション

いずれも、これまでは「NotebookLMで要点をつかんでから、スプレッドシートに移して手計算」と2段階でやっていた類の仕事です。出典つきで答える信頼性はそのままに、数字の処理まで1つのツールで済む可能性がある。実務インパクトの中心はここだと見ています。

提供条件には注意が必要です。本稿時点で使えるのはGoogle AI Ultraユーザーと、Google Workspaceの法人向け上位アドオン(AI Ultra Access、AI Expanded Access)の利用者。Proユーザーには今後数週間かけてWeb版で展開される予定です。無料プランへの言及はないので、当面は有料機能と考えておくのがよさそうです。

変化その2: 単体アプリから「どこでも開けるノート」へ

もう1つの変化は、置き場所です。

ノートブックはすでにGeminiアプリの中から作成・アクセスできるようになっており、単体のGemini Notebookとの間で完全に同期します。さらに今後、Google検索のAIモードにもノートブックが搭載される予定です。発表の投稿では、ユーザーからの要望が多かったフォルダー機能(ノートブックの整理)も予告されました。

つまりGemini Notebookは、単体のWebアプリから「Googleのあちこちから開ける研究ノート」に変わっていきます。検索で調べて、そのままノートに貯めて、Geminiアプリで続きを聞く。そういう行き来が製品の前提になっていく方向です。

使っている人がやることは、ほぼない

で、すでに使っている場合に何をすべきか。実は、ほぼ何もありません。データはそのまま、機能もそのまま、無料で始められる点も変わりません。クラウドコンピュータは上位プラン向けの追加能力なので、従来の使い方が変わるわけでもありません。

強いて挙げるなら2つです。ひとつは、社内マニュアルや研修資料に「NotebookLM」と書いている場合、どこかのタイミングで表記を直すこと。もうひとつは、社内で必ず出る「Geminiと何が違うの?」という質問への答えを用意しておくことです。答えはシンプルで、Geminiは何でも答える汎用チャット、Gemini Notebookは読ませた資料を主な根拠にして答える専用ノート。この役割分担は改名後も変わりません(この仕組みの価値は以前の記事で詳しく書いたとおりです。記事にも改名の追記を入れました)。

私たちのAI導入支援でも、NotebookLMは「最初の一歩」として一番おすすめしやすいツールでした。散らかった社内資料をそのまま読ませて、出典つきで答えさせる。この価値は名前が変わっても1ミリも変わりません。むしろ検索やGeminiアプリとつながることで、入り口は増えます。

なお、日本語での公式アナウンスは本稿時点では確認できていません。UIの表記は順次切り替わっていくとみられます。

まとめ: 名前の変更は「地図」の変更

今回の話を一言でまとめると、便利な単体ツールが、Googleのエコシステムの正式な部品になった、ということです。名前の変更は製品の変更ではなく、Googleの地図の上での位置づけの変更。そしてその地図では、検索・Geminiアプリ・ノートブックが1つの動線でつながろうとしています。

観察ポイントは3つ。Google検索AIモードへの搭載時期、Proプランへのクラウドコンピュータ展開、そして日本語での正式告知です。使ったことがない方は、この機会にぜひ。散らかった資料をそのまま放り込んで質問する体験は、AI活用の入り口として今もいちばん手応えがあります。始め方は解説記事をどうぞ。

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